辛いもの。
辛いもの。
つらいもの、ではありません、からいもの、です。
つらいもの…、だってとってもつらいんだもの…。
なんていう女の子が居れば助けたくなるのが男の性(サガ。SAGA。サーガ。)。
これはもう変えることの出来ない鉄の掟。
人類発祥より連綿と受け継がれてきた真理。
死して屍拾うものなし。
テケレッツノパーハッパフミフミ。
万象一切灰燼と為せ 流刃若火。
そういうことです。
どうしようもないのです。
そう、喩え山本源流斎重國であろうとも。
からいもの。
僕は元々、辛いものはそう得意な方ではありません。
しかし辛味というものが料理を美味しくすることは明白で、ピリッとしているぐらいが丁度いい、だって辛過ぎると味なんて分からないし。
そんな風に思っていた頃が、私にもありました。
事の発端は、蒙古タンメン(カップ麺)…、そう、蒙古タンメン(カップ麺)だよ…。
あれはいけない。
辛い、辛過ぎる…。
僕はあれを初めて口にした時、ただただ口腔内に痛みしか感じず、おお…、これは駄目だ、この尋常ではない辛味はどうだ、何故ここまで辛くする必要があるのか、これが…、人類の業…。
などと思ったものです。
たかだか数百ミリリットルの液体の中に、これほどまでに辛味成分を含有するには何らかの手法が必要なはず…、そう、喩えば蒸留酒のように、要素を蓄積させる手法が…!!とか思っていたのですが、最近では何やらとてもとても辛い唐辛子(ハバネロとか、ジョロキアとか。)が流通しているとのこと。
であれば、さして苦労もなく辛味成分をマシマシ(謎の呪文)にすることは容易。
しかし何故…。
何故ここまで辛くする必要があるのか…。
蒙古タンメンの余りの辛さに僕は観念し、完食することは出来ませんでした。
あの辛さはなかなかにショッキング、僕の人生の中ではここまで辛いものを食したことがなかったので、会社の先輩にその旨を報告したところ、あれは美味しいと。
「居るでしょ、辛味の奥に旨味が。」と。
…その発言がショッキングでした。
まさかあれを美味しいと宣う人類が存在しようとは…。
だってあれ、多分ですけど、目に入ったら失明するぐらいの刺激物ですよ。
それが美味しいだなんて…。
しかし大好きな先輩にそう言われては挑戦しない訳にはいきません。
修行が…、修行が必要だ…、と覚った私は辛味修行を始めました。
数回に亘る功夫の後、遂に私は辛味の奥の旨味に辿り着いたのでした。
蒙古タンメン美味しい。
一度登り始めるとキリがないのが辛味の山。
うちの会社にはどうやら尋常ではない辛味の高みにいる人材が豊富なようで、ちょっと味覚がアレなんじゃない?という人がちらほら。
サイコーにイカレたメンバーを紹介するぜ!とかいう往年のJ-ロック(ボーイ?とかビーズ?とかそういうの。)にありがちなクソダサい文句を口にしてしまいそうなぐらいにはヤバい味覚の持ち主がちらほら。
違うんです、僕はこの食べ物がどれぐらい辛いのか、センチメートル単位、なんならミリメートル単位で知りたい訳ですよ。
それを、その人達はメートル単位で話すのですから、感覚に100倍〜1000倍の開きがある訳です。
正に山。
彼らはこの山が何メートルなのかを語っているのであって、詳細な高さを知りたい下々の者のことなど気にもかけていないのです。
そりゃそうだ、山の高さをセンチメートル、ミリメートルで表すなんてナンセンスだ。
彼らの「全然辛くない」は全くの大嘘で、彼らが辛くないというものが辛くなかったことなどありません、ただの一度も。
僕はまだ辛味の山を登り始めたばかり。
オレたちの闘いはこれからだ!!という打ち切り少年漫画にありがちなやつで今回は終了です。
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