オレンジスパイニクラブ。

オレンジスパイニクラブというバンドがいます。

初めて知ったのはPK shampooのライブ。

対バンとして出演していました。

その頃からいいじゃない、と思っていたのですが、化けた。

化けました。

現在の若手を代表する内の一バンドになるような素晴らしいバンドに。


オレンジスパイニクラブとはなんぞや?というと、蟹です。

オレンジスパイニクラブという名前の蟹。

だから綴りはclubではなく、crabですね。

このバンドの特徴、というか、真骨頂は、ずばり「気持ち悪い」ところですね。

これはもう聴いてもらった方が早いと思うので、何曲か引用させてもらいます。

ね、気持ち悪いでしょ?(超誉め言葉)

基本的には楽曲はクズみたいな男の歌が多いのですが、メロディが超絶に極上のポップなのですよ。

僕はこのような組み合わせに非常に弱く、超ポップなメロディにギャリンギャリンの演奏、というような、本来であれば背反してしまうような要素を昇華(消化)してしまえるバンドが大好きなのです。


もう本当にクズみたいなことばっかり言ってるバンドなのですが、一曲、異色な楽曲があります。

それがこれです。

CROPという楽曲なのですが、毒が売りのバンドだというのに、この一曲には一切の毒がありません。

歌詞を聞いている限りでは、恐らく誰かの結婚式の為に作った歌なのではないかなと思うのですが、これがもう40歳をこえたおっさん(僕のことですね。)に刺さる刺さる。

普段はあんなにクズみたいなことばっかり言っているのに、なんだよこの美しい曲。

「大きな手を握る小さな手 お疲れさまとおかえりの声」、こんなもん、泣いてしまうでしょうがあああ!!!

僕は一度全てなくしてしまったから、余計に刺さるのかもしれません。

それが如何に尊く、そして大切なものであるのか、本当の意味では殆どの若者に分かることではないとは思うのですが、余りにも美しすぎて、何度聴いても泣いてしまう。

これを読んでくれている奇特なあなたは、大切にするものをちゃんと選んでくださいね。

「大丈夫だよ すぐ帰るよ」、この言葉を捧げられる相手を、大切に大切に守ってください。


もうすぐ、この七月に新しいアルバムが出るそうなので、それも既に予約してあるのですが、楽しみな反面、不安でもありますね。

ライブを観てもらえれば分かると思うのですが、このバンド、パンクなんですよ、根っこのところが。

クソクズ野郎だからこそ、輝くものがある、そういうバンド。

このCROPという楽曲が収録されているアルバム(CROPというアルバムです。)は、オレンジスパイニクラブのほぼ全ての楽曲を聴いてきた僕から見ると、かなりの野心作です。

これまでのポップでありながらパンクでロックでブルージー(はちょっと違うかもだけど)なアレンジから、ポップに振り切ったのがこのアルバム。

これはもう売れるということを見据えたアルバムだなと。

難しいのはその次のアルバムですよ。

ここで一気にだめになっていくバンドを数多見てきたので不安はありますが、基本が心根の優しいクズ野郎(誉め言葉)だと思っているので、大丈夫ではないかとも思っています。

次のアルバム、早く聴きたいな。

なんにもないから、またはじめる

なんにもなくなってしまったから、だから、またはじめてみようと思った。

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